お子様の矯正相談にこられるご家族の中には、将来のために今のうちに出来ることはしてあげたいと考えている方も多いようです。
歯並びが悪いと生じる、ブラッシングが困難になり虫歯になりやすい、咀嚼効率が悪い、顎関節症などの原因となる、 見た目の問題などを矯正治療によって改善することができます。
当院でも、小中学生の治療を行っておりますが、すべての患者様が問題なく治療を終了、維持できているわけではありません。
歯並びが悪いと歯ブラシが難しいため、"虫歯になりやすいからなるべく早く矯正治療をしたほうがいい"と説明を受けられる方もいらっしゃると思います。 これは正しいことです。
では、本当に矯正治療をすれば改善するのでしょうか。
矯正治療をする前の現時点で、ブラッシングをしなさいと言っても十分磨いてくれないと悩んでおられませんか?
矯正の装置(固定式の装置)(写真)をつけて治療する場合は、装置の周囲に食べ物が残りやすくなり、 ブラッシングは今まで以上に困難になります。その様な状況が2年程続きますので、お子様がブラッシングを積極的に行えなければ、 逆に虫歯になってしまいます。
当院では少しでもその様なリスクを減らすため、矯正治療のための検査の段階で唾液の性質や虫歯の原因菌の数を調べ、 虫歯になりやすい口腔内の環境の場合にはブラッシング指導、食事指導等を行い、治療中にはフッ素の洗口液を使用して 頂くことで歯質の強化を図りながら、より虫歯になりにくい環境に改善していくことを心がけております。
しかし実際には治療期間中に十分なブラッシングを維持していくことは非常に困難です。 月に1回の治療での来院の際にだけ、がんばって磨いてくるお子さんもおられます。 また、歯質を強化するフッ素の洗口液は一日1回使用していただくのですが、面倒でやめてしまう方が多いのが現状です。
その結果、ブラケットの周囲が虫歯になってしまうことがあります。
中学生で治療を開始、終了した患者様で、大学生になり深夜パソコンを使用しながら、缶コーヒー、炭酸飲料を飲み、 糖分の多いお菓子を食べブラッシングをしないまま寝てしまうという状況が続き、前歯が虫歯でぼろぼろになってしまったことも経験しました。
ご両親も、何のために中学生から期間と費用をかけたのかと悩まれておられました。
患者様には例えでお話しするのですが、自家用車などは通常5〜10年くらい利用されるとおもいますが、 10年間良好な状態で維持するためには、オイル交換、部品交換、洗車などメインテナンスが非常に重要になります。 では永久歯は何年もたせなければいけないのでしょうか。 平均寿命で考えれは約80歳までもたせることが必要になります。 そのためのメインテナンス(ブラッシング)を十分行っていただけているでしょうか。 朝、学校に行く前ブラッシングの時間が十分取れないお子さん (大人)も多くおられます。それでは、虫歯になってしまいます。
したがって、当院では矯正希望の患者様でも、ブラッシングをしていただけない場合には、治療をお断りすることもあります。
矯正治療は、こちらが無理に開始するようお勧めするべきものではないと考えております。
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